サービス学は産業(実践)と学術(理論)とが密接に結びついている学問領域です。本セミナーでは、サービス学に興味を持つ方への導入となることを目指し、産業界のホットなテーマを題材にサービス学の理論とその実践への応用を具体的な事例を通じご紹介します。第2回は「接客サービスにおける人材育成」と「サービス品質の向上」の2テーマを設定し、前者はグラウンデッド・セオリー・アプローチ(GTA)による旅客機の客室乗務員の人材育成、後者はサービス品質モデルによるITサービスの品質向上への取り組みをご紹介します。
最近、いたるところで「サービス」という言葉が使われるようになってきているが、サービスを取り巻くさまざまな場面では、必ず人間による活動が生じているため、物事を考えるときには必ず人間を中心に考える必要がある。本セミナーでは、サービスを利用する際の品質(利用品質)の向上とサービスが提供する価値を高めるための体験について、人間工学的視点からの考え方や国際規格の動向について述べる。
NECは、IoTやAIといったデジタル技術を最大限に活用した社会価値創造を目指しており、これらを支えるICTプラットフォームをサービスとして提供しています。本セミナーでは、ICTプラットフォームサービスの提供品質に影響を与える人為ミスと,その撲滅に向けた品質改善施策についてご紹介します。
講演者は2015年より、客室乗務員(CA)の接客スキルに関する共同研究を全日本空輸株式会社と行っている。実フライトでの行動観察と行動計測の他、接客実験と回顧的インタビューを通じたCAの認知過程の深掘りなどを行ってきた。その結果として、「乗客心理への深い考察に裏打ちされた能動的な接客アプローチ」を学んでいくための図解表現(モデル)と教育教材を構築してきた。本セミナーでは、その概要を紹介する中で、質的研究法であるグラウンデッド・セオリー・アプローチ(GTA)、およびサービス学会がもたらす文理横断と産学共創の志向を中心に取り上げる。
全日本空輸株式会社では、共同研究の成果である教材制作に積極的に協力するとともに、実際の訓練で活用できる教材に仕上げるべく模索してきた。乗務経験のない新人CAを主対象に教材をアレンジした上で、2018年5月から集合訓練とe-learningにて実践している。本教材は訓練現場から高い評価を得ており、蓄積される回答データを活用した更なる改良と展開も検討されている。本セミナーでは、その概略を紹介する。