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国内大会:オーガナイズドセッション

2018年度サービス学会 第6回 国内大会(開催日:2018年3月10日〜11日)

オーガナイズドセッション(OS)担当先生へのインタビュー(2)

  • 製造業のサービス化と標準化(仮)
    • オーガナイザー:持丸正明先生@産業技術総合研究所
    • 事務局Q1 まずテーマのタイトルに分からない言葉があるのですが「製造業のサービス化」って何ですか?
    • sensei事務局ここで「サービス(service)」とは製品(goods)と付帯サービス(services)で作られる統合的なソリューションを意味しています。つまり、「製造業のサービス化」とは、製造業がモノとしての製品を提供するだけでなく、製品と付帯サービスを一体化して提供することを指向すること、ということになります。 サービスを始めると顧客との長期的な関係性が生まれます。製品の機能に価値をこめて送り届けるよりは、顧客の使用によって価値を次々と産み出すように付帯サービスを提供するという感じになると思います。製品だけの場合よりも、顧客との価値共創が重視されるようになります。



    • 事務局Q2 じゃ、もうひとつの「標準化」というのは何ですか? 標準サービスを作るのですか?
    • sensei標準というのは、規制ではなく、合意です。みんなで合意すると便利になったり、世の中が良くなったりする場合に、関係者が集まって「この範囲の中で、こういうことを約束事に使用」と議論して合意していくのが標準化です。標準という日本語には、共通的(common)とか、規制的(mandatory)とか、画一的(uniformity)という意味合いもあります。ただ、標準化(standardization)という観点で見ると、どれも正確な意味合いではありません。共通基盤でない標準、強制規格ではない標準、画一的ではなく選択肢が多い標準も数多くあります。 サービスの標準化というのも、共通的で画一的な「標準サービス」を規定しようというものではありません。ひとつには、サービスという活動を通じて生じうる顧客、従業員、社会への不利益や危害を減らすための基盤的な約束事です。もうひとつは、こういうことに着目したものが優れたサービスだという評価軸の合意です。


    • 事務局Q3 それぞれなんとなく分かりましたが、その2つを繋げたこのセッションでは、なにを議論するのでしょうか?
    • senseiいままで標準化は、主に製品を対象に進められてきました。たとえば、製品の形や機能を取り決めて、企業を越えて部品を交換したりできるようなことです。 近年、品質管理や企業の社会的責任遂行のような触れないもの(プロセス)も標準化の対象となり、それが進んで、サービス(プロセスや顧客への影響など)も標準化の対象になってきています。 このような標準化の動きに、サービス学会も対応しています。学会では特別に標準化に対応する委員会を作り、そのメンバーが国内外の標準化会議に参加して、専門家として、また、日本のサービス産業の代表として意見を述べています。 このセッションでは、そのような国内外のサービス標準化の動きと、それに対応している学会の活動を紹介するとともに、実際にサービス標準を作り始めている産業界の方々にもお話しをいただきます。その上で、サービスの標準化として、なにを合意すると良いか、それによってサービス産業や社会をどのように変えられるか、を議論しようと考えています。


    • 事務局Q4 どんな方々の参加を想定しておられますか?
    • sensei標準化は、なによりもまず産業界に大きく影響します。そう言う意味では、サービス産業の方々には是非とも参加いただき、動向を知っていただきたいと思います。また、国際的に議論されている標準では、製造業のサービス化が大きなターゲットになっています。たとえば、ドイツ国内標準を主導しているのは大手自動車メーカーです。そのような動きを踏まえ、是非とも製造業の方々にも参加していただきたいです。このセッションを「製造業のサービス化」と「標準化」の二段構えにした意図も、そこにあります。 加えて、経営系、工学系の研究者の方々にもご参加いただきたいと思っています。サービス標準で最初に議論されている「理念・原理原則」には学術的な枠組み(特に経営学の知見)が利用されています。是非ともお知恵をお貸し下さい。


    • 事務局Q5 最後に参加希望される方々へのメッセージを
    • sensei標準化というのは、企業が競争する際の「共通基盤(取引、社会安全)」を取り決めるだけでなく、産み出される価値の「評価軸(どういうものが優れたものなのか)」を合意するものでもあります。たとえが適切かどうか分かりませんが、オリンピック競技にたとえれば、前者はドーピングルール、後者が競技ルールです。誰かによって決められた競技ルールを、あとから知らされて競技に参加するのか、競技ルール策定に加わりながら並行して選手育成を進め競技参加するのか、答えは明らかです。インバウンド観光客なども増え、サービスも国際化してます。このセッションで最新情報を得て、議論に加わってみてください。将来的には、サービス学会の標準化委員会に参加いただけると嬉しいです。


    • 事務局本日はありがとうございました。
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