サービスプラクティス バックナンバー

Service Practice: Back Number

目次:

Vol.1, No.1

実践レポート

赤ちゃん型コンパニオンロボットによる介護職員の精神健康度の改善

大和 信夫, 住岡 英信, 塩見 昌裕, 神田 陽治

Vol.1, No.1, pp.1-5, 2024.6

概要: 介護現場で利用されるコンパニオンロボットが認知症高齢者に良い効果をもたらす半面,その運用に関わる介護職員に対しては,ストレス,責任,業務負担を増やす側面があり,介護施設で提供されるサービスの質の低下を招く.この課題に対し,コロナ禍の最も厳しい時期に,介護施設において現場の介護職員のみで実施した,赤ちゃん型コンパニオンロボットの約1カ月に渡る長期導入実験における,介護職員の精神健康度の改善について報告する.

編集委員会からの総評: 本実践レポートは、介護サービスの現場におけるコンパニオンロボットの適用・評価に関するものであり、「サービスプラクティス」の趣旨に沿っている興味深い内容である。特に、赤ちゃん型対話ロボットの導入により、要介護者だけでなく、介護職員の精神状態も良くなったという現象はたいへん示唆に富んでおり、介護サービスの研究および実践にとって有益な実践例である。

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パーキンソン病を題材とした独立系映画の劇場公開に至るまでのプロセス

古新 舜, 白肌 邦生

Vol.1, No.1, pp.6-9, 2024.10

概要: 本稿では,映画を制作物ではなくサービスとして捉え,製作プロセスが観衆に与える影響を考察し,映画の価値を再認識することを目的とする.この目的のために,パーキンソン病を題材とする独立系映画を対象に,企画から公開までの資源統合過程を説明する.映画が観客(受益者)に提供されるまでに,多様なアクターとの連帯(物事を行うために結びつくこと)を通じて資源が意図的かつ創発的に統合され,映画のテーマと連関する異業種のアクターも参加し,映画の価値が多面的に高まることを見出した.

編集委員会からの総評: 本レポートは、映画をサービスとして捉え、映画製作が有するサービスの価値はどの製作プロセスにおいて萌芽するか、その価値を再認識することを目的としており「サービスプラクティス実践レポート」の趣旨に合致しています。このレポートの大変興味深いところは、レポートの対象となっている映画の題材が指定難病であるパーキンソン病を患っている人とそれを取り巻く人々であることです。パーキンソン病の程度には個人差がありますが、予後はさほど悪いわけではないため、患者さんは難病を抱えて生き、生活していくことになります。そのような人々に対してこの映画の「難病によって孤立する人を減らしていき、難病があっても社会に参画や就労できる環境を広げたい」というパーパスは、患者さんを励ますことになるだけでなく、医療従事者が望んでいる「医療従事者と社会の橋渡しとなる」可能性も内包しており、対象の映画がパーキンソン病の理解を社会に広める後押しとなったことは間違いないと思います。

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生成AIによる技術アドバイスと図面解読を利用した出願書類作成

白坂一

Vol.1, No.1, pp.10-15, 2024.11

概要: Generative AI(以下,生成AI)の登場によって,特許業務や特許戦略は徐々に変化が起こっている.生成AIの進化によって,特許書類作成の補助業務が当たり前の時代が到来したとき,知財の専門家である,弁理士や特許技術者(以下,弁理士等)には,どのような仕事振りが求められるのか.生成AIによる技術アドバイスや図面解読が完全ではないものの可能となった今,我々にとって大きな業務の転換期を迎える可能性がある.生成AIの進化のおかげで,我々の特許書類作成の業務で得られる享受について説明する.

編集委員会からの総評: サービスプラクティス実践レポートへの投稿、まことにありがとうございます。投稿いただいたレポートは、「生成AIの特許出願書類作成への実践的活用」の実施事例に基づく内容であり、「サービスプラクティス実践レポート」の趣旨に沿っている興味深い内容です。特に、現状の生成AIを用いた特許書類を作成方法について、著者が開発した生成AIを用いた特許評価システムおよびAI特許書類作成システムの活用事例を用いて、具体的に記述している点が読者にとって有益な情報になっていると思います。

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